私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
32章:食べ尽くすまで

 朝、自分のベッドの上ではないことに気づく。

 修が隣にいることに気が付いて、恥ずかしくなってうつぶせになって枕に顔をうずめた。
 すると、背後から修がかぶさって楽しそうに首筋に、肩に、ちゅっちゅっと軽く口づけてくる。

「くるみ。起きたんだろ? 顔見せて?」

 なんで修はそんなに羞恥心をゴリゴリと削ってくるのだろう。

(昨日の夜だって、夜だってぇええええ……!)

 私は泣きながら、
「もう顔見ないでぇっ!」と叫んだが、自分の声が思った以上に掠れていて、それが余計に恥ずかしさを誘った。

 修は優しく髪を撫でながら、
「ごめん、くるみの体力考えてなかった」と笑う。

(あなた絶対反省なんてしてませんよね!)

 そう思うのには訳がある。

 昨日の夜、『修の好きにしてほしい』と私が言ったらしいが、そんなうわごと私は覚えていないし、たとえ本当に言ったとしても、物には限度というものがある。
 修は間違いなく限度を超えていた。
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