黒歴史な天才外科医と結婚なんて困ります!なのに、拒否権ナシで溺愛不可避!?

 そう言って、腕を引っ張られると、そのままその胸の中に抱きすくめられる。

「も、やめっ……!」

 修の熱に息が詰まって、泣きそうになったところで、天の助けとばかりに修のスマホが鳴った。

「さっそくオンコールか。行ってくる」

 そのままそっと身体を離され、頭をポンポンと二度叩かれる。

 私は固まったまま目だけで修が出て行くのを見送ると、扉が閉まった瞬間、その場に崩れ落ちた。

「た、助かった……」

 助かったけど……。

ーーーこのままじゃ、いつかまた食べられる……!
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