私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
5章:5年ぶりのキス
―――5年前の夢だ。
朝起きて、私は先ほどまで見ていた夢を反芻していた。
(久しぶりにあの日の夢を見たな。これまでほとんど見てなかったのに……)
昨夜のカレーのせいだろうか。そう思っても答えなんか出ない。
きょろきょろして修がまだ帰ってきていないことを確認すると、何故かやけにほっとした。
それから着替えて、朝食の準備をしていると、修が帰ってくる。
「ただいま」
「……おかえり。朝ごはんあるけど食べる?」
「あぁ、助かる。先にシャワー浴びてくる」
「タオル、外においとく」
「ありがと」
修がバスルームに歩いていく後姿を見つめる。
なんだかまた昔のことを思い出しそうになって首を横に振った。