私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
(さっきの恐怖で漏らしそうだから、お手洗いによって帰ろう)
そう思って研究室の扉の鍵を閉めた時……。
後ろから、ダンっ! と私の顔の横に手を置かれる。
「ひっ!」
絶対漏らした! と思ったけど、私の膀胱はなんとか大人の威厳を保っていたようで、耐えている。しかし、振り返ったら、確実に漏らすような気がするので、私は振り返れずにただそこで固まるしかなかった。
「くるみ?」
「ひゃ、い!」
変な声が出た。ついでに漏れそうだった。
だって、だって……やっぱりあの人の声だもん。
―――それは、何年たっても分かる声だった……。