私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
私は言いたい事だけ言うと玄関に向かった。
修は、そんな私をゆっくり追ってきて、後ろから私を見ている。
「ハハ、随分変わったよな」
「誰のせいでっ!」
「俺だな」
私はその言葉に、私は自分を落ち着かせるように息を吸い、すっと目を細めて修を見た。
「……別に5年前のことはもうどうでもいい。私もバカだったの、若かったし。だから、もう全部忘れてよ。あの日も、言ったでしょ? 婚姻届けもちゃんと捨てといて」
靴を履いて出ようとしたその時、
「誰が忘れるかよ」
低い声とともに腕が掴まれる。
思わず振り返ると、修はそのまま玄関ドアに片手をつき、不機嫌な顔で私を見ていた。
「ちょ、修……!」
「このアパート、特に玄関は壁薄いんだよな」
修はそんなことを呟いて、眉を寄せたままでじっと私を見ている。
片腕も掴まれたままで腕は全く動かない。