私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

「なっ……!」
「あら、そうだったの!」

 鈴鹿先生の声が弾んだ。

「ええ、すみません。ご挨拶が遅れてしまって」

(ちょっと待て! 待て待て待て待てぇぇえええええい! 謝るところはそこじゃない!)

 私が叫びだしそうになった時、修はにこりと笑うと、自分の足のすねをさすった。

「今朝ケンカして、くるみが俺の足を蹴って出て行ったから。そのこと気にしてるんじゃないかと思って、大丈夫だと言いに来たんです」

 修は、明らかにしらじらしく心配そうな顔を装って言った。


 そう。今朝、私はあのキスのあと、
―――修のすねを思いっきり蹴って逃げたのだ。
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