私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
「ここが、くるみがバイトしてる研究室? ふうん。『鈴鹿研究室』ね、鈴鹿って鈴鹿紫教授かな?」
「さ、さぁ? なんのことだかさっぱり。……人違いじゃないですか? 私はくるみなんて変な名前じゃナイノデス」
私が言うと、相手はクスリと声を漏らした。
その声に寒くもないのに身体がブルブル震える。
「俺が誰だかわかるよな?」
「だから人違いじゃ……? オレオレ詐欺は今どき流行りませんよ」
「こういうとき、ぶるぶる震えて怯えちゃって変わらないな。そこがまたイジメがいがあるんだよ」
そう言って、後ろから首筋を撫でられる。
それでまた身体が震える。あぁもうだめだ! 色々とだめだ!
「ひっ! や、やめ……」
「あぁ、変わらないなぁ。……あれから誰かと付き合った?」
「できるはずない……! あんなことするなんて私には無理だもん!」
思わず振り返る。
すると、やっぱりあの人の、修の姿がそこにある。
私はどういう気持ちなのか泣きそうになって、この人の前で泣くのは嫌だと顔をしかめて耐えた。