私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~

「そう。医学部に戻ってきた猪沢先生がお相手よ」

 栗山先生と目が合う。私は先程のこともあり、思わず目をそらしてしまった。

 栗山先生はここに来てから、私と仲良くしてくれて、私はその存在に助けられていたのに。

 そんな先生に相談もできず、突然こんな話なんて……。
 私は全部ちゃんと話して、そうではない、と否定したかった。なんなら今後どうすればいいのか、相談したかった。

 でも何から話せばいいのか、どう話せば信じてもらえるのか……全部混乱したままで、先生たちの話はどんどん進んでいく。

「僕は……金曜のほうが都合いいです」
「そうね、じゃ今週か来週の金曜日で」
「はい」

 とにかく少し落ち着いて、ゆっくり話せば……いいよね。栗山先生ならきっとわかってくれる。
 私はそう思い直していた。
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