私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
その日、栗山先生がいつもより早く帰宅して、私はそれを見て慌てて自分も帰り支度をして後を追った。
今日一日、栗山先生も忙しくて……さらに少し避けられいるようで、なかなかゆっくり話す機会もなかったのだ。
ちょうどアパートの前まで来た時にやっと追いついて、私は栗山先生を呼び止める。
「栗山先生! あのっ……猪沢先生のことなんですけど」
「いや、うん。わかってるよ。夏目さんに彼氏がいないわけないよね」
栗山先生は少しだけ振り返ってそう言うと、もう一度後ろを向きそのまま部屋に入ろうとする。
「違うんです! 待っ、うぎゃっ……!」
そして、栗山先生を引き止めようと慌てて走り出した私は、その場で思いっきり転んでしまったのだった……。