私、今度こそあなたに食べられません! ~戻ってきた俺様幼馴染ドクターと危ない同棲生活~
「ありがと」
私はがらんとした部屋に自分の荷物を入れる。修も手伝ってくれた。
「修は荷物少ないね?」
「ある程度先にボストンに送ってるからな」
「ふうん」
私はつぶやくと修の顔を見る。「あっちで住む部屋って広い?」
「まぁまぁ。こっちよりは広いな」
「そう」
ここより広いなんてさすがだ。
私が感心していると、修が私の頭を軽く叩く。
「大学行くけど、家の中好きなように使え。遅くなるから先寝てろよ。でかけるなら鍵はこれ」
「はぁい」
私は鍵を受け取り、修を行ってらっしゃい、と見送る。
そして歩いていく修に手を振り続けた。
「まるで奥さんみたいだ!」
思わず叫んで、嬉しさのあまりその場にゴロゴロと転がる。
まるで、というか、そのまま奥さんだ。
私は、よし! と立ちあがり、とりあえず今日行かなければならないところに行くことを決める。
帰りに買い物して帰ってこよう。あ、行く前に洗濯機も回して……。
本当に修の奥さんみたいだし、近い将来本当にそうなるんだよな、と考えて、私は一人で微笑んだ。