僕惚れ①『つべこべ言わずに僕に惚れろよ』
 僕は(はや)る気持ちを抑えて彼女の前に立った。

 葵咲(きさき)ちゃんの横に手をついて、視線を彼女のそれに合わせると、ほっぺに手を伸ばす。

 やわらかくてすべすべな頬の感触を指の腹でしばし楽しんで、そっとあごまで指先を滑らせると、下から(すく)いあげるようにして彼女の顔を上向かせた。

 最初は触れるだけの口付けを。次第に角度を深くして、彼女の舌に自分のそれを絡める。

 口付けながらゆっくり葵咲ちゃんの身体をベッドに横たえると、(しわ)になる前にスーツの上着を脱ぎ捨てた。ついでにネクタイも=(くつろ)げて、首から抜き取る。

 ワイシャツ姿になった僕を見て、葵咲ちゃんが何故か恥ずかしそうに視線を()らした。その反応がまた可愛くて、僕は堪えきれずに彼女の上に覆いかぶさる。

 その反動で、葵咲ちゃんのスカートの(すそ)が少しまくれて、彼女の白く艶やかな太腿(ふともも)(あら)わになった。
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