僕惚れ①『つべこべ言わずに僕に惚れろよ』
行動パターン
僕の愛する葵咲ちゃんは、日本文学科の学生だ。
僕のリサーチによると、彼女が専攻している教授のゼミは古典文学が専門だったはずだ。
彼女がどんなテーマで卒業論文を書くのかはまだ分からないけれど、そのゼミの歴代の卒業生たちが残して行った卒論をチェックしてみると、先人たちが参考にした文献のいくつかは最下層のフロアにあるものだった。
あんな人気のないフロアに彼女一人を行かせるのは不安だ。その場合は必ず付いていこう、と心に決める。
この図書館に勤務し始めてから三週間。来週で内田さんはここを本当に退職する運びになっている。
僕自身、何とか館長としての生活にも慣れてきた。
そして、何より! 葵咲ちゃんの行動パターンが少しずつ把握できてきたのだ。
どうやら彼女は少なくとも週に一度は必ず、講義のない時間帯に図書館を訪れているらしい。今までは現れる時間帯がなかなか掴めなくて捕まえ損ねてきたけれど、カウンター内のパソコンのログをチェックして、少しずつ時間帯の的が絞れてきた。
今日こそは必ず彼女を捕まえてみせる。
僕のリサーチによると、彼女が専攻している教授のゼミは古典文学が専門だったはずだ。
彼女がどんなテーマで卒業論文を書くのかはまだ分からないけれど、そのゼミの歴代の卒業生たちが残して行った卒論をチェックしてみると、先人たちが参考にした文献のいくつかは最下層のフロアにあるものだった。
あんな人気のないフロアに彼女一人を行かせるのは不安だ。その場合は必ず付いていこう、と心に決める。
この図書館に勤務し始めてから三週間。来週で内田さんはここを本当に退職する運びになっている。
僕自身、何とか館長としての生活にも慣れてきた。
そして、何より! 葵咲ちゃんの行動パターンが少しずつ把握できてきたのだ。
どうやら彼女は少なくとも週に一度は必ず、講義のない時間帯に図書館を訪れているらしい。今までは現れる時間帯がなかなか掴めなくて捕まえ損ねてきたけれど、カウンター内のパソコンのログをチェックして、少しずつ時間帯の的が絞れてきた。
今日こそは必ず彼女を捕まえてみせる。