僕惚れ①『つべこべ言わずに僕に惚れろよ』
*兄か男か
一通りことの経緯を説明した僕に、葵咲ちゃんはそれでもどこか納得していない様子だった。
その証拠に、僕の両腕と書架に閉じ込められて逃げることはかなわないくせに、微塵もひるんだ様子もなく真っ直ぐ僕を睨み付けてくる。
「……でも、だからって、そこまでする?」
信じられない、と小声でつぶやく彼女に、僕はわざとらしくため息をついてみせた。
「前に言ったよね? 一人の男として僕を見て欲しいって。そのためなら僕はどんな手段だって使うよ」
幼いころから読書家で、そのうえ努力家でもあった葵咲ちゃん。
図書館は、そんな彼女にとって必要不可欠な施設だと、僕は子供のころから知っていた。だからここを職場に選んだのだ。
「理人を男として見ろって言われても……無理だよ。だって私たち、小さい頃からずっと一緒にいたんだよ?」
なぜかそこで僕から視線をそらすと、それでもはっきりと言葉を続ける。
その証拠に、僕の両腕と書架に閉じ込められて逃げることはかなわないくせに、微塵もひるんだ様子もなく真っ直ぐ僕を睨み付けてくる。
「……でも、だからって、そこまでする?」
信じられない、と小声でつぶやく彼女に、僕はわざとらしくため息をついてみせた。
「前に言ったよね? 一人の男として僕を見て欲しいって。そのためなら僕はどんな手段だって使うよ」
幼いころから読書家で、そのうえ努力家でもあった葵咲ちゃん。
図書館は、そんな彼女にとって必要不可欠な施設だと、僕は子供のころから知っていた。だからここを職場に選んだのだ。
「理人を男として見ろって言われても……無理だよ。だって私たち、小さい頃からずっと一緒にいたんだよ?」
なぜかそこで僕から視線をそらすと、それでもはっきりと言葉を続ける。