僕惚れ①『つべこべ言わずに僕に惚れろよ』
それで、というわけではないけれど、二週間タイプの使い捨てコンタクトを使っている僕は、手持ちのものを使い切ってしまってからも眼科を受診できなくて、このところずっと眼鏡生活になっている。
インターネットで今まで使っていたのと同じカーブや度数のレンズを買うことも考えたけれど、何しろ目のことだし、何となく二の足を踏んでしまった。
目だけは大事にしないと何かあったらしんどいし、それじゃなくても視力の悪い僕は、これ以上葵咲ちゃんの顔が見えなくなってしまったらと思うとどうしてもネット通販に頼れなかった。
そんなこんなで職場にも眼鏡で行くようになった僕に、篠原さんが「館長、眼鏡の形が孝明とおそろいっぽい」と笑う。
ちなみに孝明、というのは鈴木君の下の名前だ。
まぁ、黒縁の眼鏡なんてそこら辺にごろごろしてるし、被って見えたって不思議じゃないんだけど。
散髪にも行けていなくて、前髪が伸びてきているのも鈴木くんの雰囲気と被るのだと彼女は笑った。
一緒に作業することが増えて気づいたんだけど、篠原さんと鈴木君はお互いを下の名で呼び合っているらしい。
そのさまを見ていると、どうしても葵咲ちゃんと自分のことを思い出してしまって、僕はなんとも複雑な気持ちになった。
インターネットで今まで使っていたのと同じカーブや度数のレンズを買うことも考えたけれど、何しろ目のことだし、何となく二の足を踏んでしまった。
目だけは大事にしないと何かあったらしんどいし、それじゃなくても視力の悪い僕は、これ以上葵咲ちゃんの顔が見えなくなってしまったらと思うとどうしてもネット通販に頼れなかった。
そんなこんなで職場にも眼鏡で行くようになった僕に、篠原さんが「館長、眼鏡の形が孝明とおそろいっぽい」と笑う。
ちなみに孝明、というのは鈴木君の下の名前だ。
まぁ、黒縁の眼鏡なんてそこら辺にごろごろしてるし、被って見えたって不思議じゃないんだけど。
散髪にも行けていなくて、前髪が伸びてきているのも鈴木くんの雰囲気と被るのだと彼女は笑った。
一緒に作業することが増えて気づいたんだけど、篠原さんと鈴木君はお互いを下の名で呼び合っているらしい。
そのさまを見ていると、どうしても葵咲ちゃんと自分のことを思い出してしまって、僕はなんとも複雑な気持ちになった。