僕惚れ①『つべこべ言わずに僕に惚れろよ』
電話ではあんなに話してくれたのに、僕の顔を見た途端、彼女は落ち着かない風で、どこかよそよそしくなった。
「葵咲?」
呼びかけてみたけれど、無言でうつむいたまま、視線を合わせようとしてくれない。
「もしかして怒ってる?」
そうであっても仕方ないと思いながら問えば、うつむいたまま彼女は首を横に振った。
確かに今の彼女は、僕にやたらと反発して避けていたときみたいな、そういうつんけんした感じじゃない。
「……気にしないで。……その……久しぶりに会えたから……ちょっぴり緊張してて」
あ。この感じ。僕は今までにも何度か覚えがある。
「ね、葵咲。ひとつ聞いてもいい?」
わざと立ち止まって彼女の両肩を掴むと、僕は真正面から葵咲ちゃんを見つめた。
まん前に立っているのに、彼女の視線が不自然に逸らされるのを見て、僕は確信する。
「葵咲、僕が眼鏡かけてるの、見慣れてなくて苦手だって前に言ってたけど……実は割と好きだろ?」
「っ!! ち、違っ……!」
否定しながらも、彼女が耳まで真っ赤に染めてしまったのを見て、僕はコンタクトレンズを買いに行くのはとうぶん延期しよう、と思った。
「葵咲?」
呼びかけてみたけれど、無言でうつむいたまま、視線を合わせようとしてくれない。
「もしかして怒ってる?」
そうであっても仕方ないと思いながら問えば、うつむいたまま彼女は首を横に振った。
確かに今の彼女は、僕にやたらと反発して避けていたときみたいな、そういうつんけんした感じじゃない。
「……気にしないで。……その……久しぶりに会えたから……ちょっぴり緊張してて」
あ。この感じ。僕は今までにも何度か覚えがある。
「ね、葵咲。ひとつ聞いてもいい?」
わざと立ち止まって彼女の両肩を掴むと、僕は真正面から葵咲ちゃんを見つめた。
まん前に立っているのに、彼女の視線が不自然に逸らされるのを見て、僕は確信する。
「葵咲、僕が眼鏡かけてるの、見慣れてなくて苦手だって前に言ってたけど……実は割と好きだろ?」
「っ!! ち、違っ……!」
否定しながらも、彼女が耳まで真っ赤に染めてしまったのを見て、僕はコンタクトレンズを買いに行くのはとうぶん延期しよう、と思った。