僕惚れ①『つべこべ言わずに僕に惚れろよ』
「……えっと、あの、葵咲?」
「なによ!?」
理解が追いつかないまま彼女の名を呼ぶと、キッ!と睨み付けられた。
あれ? いつの間にか立場が逆転してない? 何で僕が怒られてる体になってるの?
「僕、一度でも彼女たちのことを可愛いって言ったことあった?」
さっき、葵咲ちゃんがアリアの店員を褒めたみたいに。
ないよね?
ないのは自分が一番よく知っている。だって、僕は葵咲ちゃんに出会って以来、彼女以外眼中にないんだから。
それで、過去何度も他の女性たちから顰蹙を買い続けてきたのを知らないのなんて、きっと僕を避けまくっていた葵咲ちゃんくらいだ。
「……言ってないっ! けど、分かるもん!」
この子は何をわけのわからないことを言っているんだろうね?
ふとそんなことを思ってから、はたとあることに気が付いた僕は、顔がにやけるのを抑えられなかった。
「そっか。分かるか……」
だから意地悪く、そんな風に言ってしまったのかもしれない。
僕から目を逸らしてムスッとしている葵咲ちゃんには、恐らく僕の笑みは見えていない。
「ねぇ葵咲。ここで話してても埒があかないし……とりあえず続きはアリアに移動してからにしない?」
僕も腰を据えて色々聞きたいし。
さっきは一瞬、葵咲ちゃんの言葉のせいでアリアに行くのをやめようかと思ったりもしたけれど、今の僕は何の躊躇いもなく彼女をそこへ連れて行ける。
「なによ!?」
理解が追いつかないまま彼女の名を呼ぶと、キッ!と睨み付けられた。
あれ? いつの間にか立場が逆転してない? 何で僕が怒られてる体になってるの?
「僕、一度でも彼女たちのことを可愛いって言ったことあった?」
さっき、葵咲ちゃんがアリアの店員を褒めたみたいに。
ないよね?
ないのは自分が一番よく知っている。だって、僕は葵咲ちゃんに出会って以来、彼女以外眼中にないんだから。
それで、過去何度も他の女性たちから顰蹙を買い続けてきたのを知らないのなんて、きっと僕を避けまくっていた葵咲ちゃんくらいだ。
「……言ってないっ! けど、分かるもん!」
この子は何をわけのわからないことを言っているんだろうね?
ふとそんなことを思ってから、はたとあることに気が付いた僕は、顔がにやけるのを抑えられなかった。
「そっか。分かるか……」
だから意地悪く、そんな風に言ってしまったのかもしれない。
僕から目を逸らしてムスッとしている葵咲ちゃんには、恐らく僕の笑みは見えていない。
「ねぇ葵咲。ここで話してても埒があかないし……とりあえず続きはアリアに移動してからにしない?」
僕も腰を据えて色々聞きたいし。
さっきは一瞬、葵咲ちゃんの言葉のせいでアリアに行くのをやめようかと思ったりもしたけれど、今の僕は何の躊躇いもなく彼女をそこへ連れて行ける。