僕惚れ①『つべこべ言わずに僕に惚れろよ』
「閉めるよ」
声をかけて助手席のドアを閉めてから、僕は運転席に回り込む。
ドアを開けてシートに座りながら、「家に僕と会うって連絡してある?」と聞くと、葵咲ちゃんはこくりと頷いてくれた。
「一応僕からも連絡しておくね」
スーツの内ポケットからスマホを取り出しながら言う。女の子を夜に連れ回すんだ。そこはやっぱりちゃんとしておかないと。
葵咲ちゃんは、依然お冠なままだけど、問いかければ首肯したり首を振ったりと意思表示はしてくれる。
彼女の自宅に連絡を入れると告げた僕の言葉に、一瞬「え?」という顔をしたけれど、ご両親からの僕の位置づけが兄のようなものだと認識しているからか、やめて欲しいとは言わなかった。
嫌だと言われたところで、そこはやはりけじめとして掛けるんだけどね。
少し充電しただけの僕のスマホ。電池残量はそんなにないけれど、軽く通話するくらい問題ないだろう。
声をかけて助手席のドアを閉めてから、僕は運転席に回り込む。
ドアを開けてシートに座りながら、「家に僕と会うって連絡してある?」と聞くと、葵咲ちゃんはこくりと頷いてくれた。
「一応僕からも連絡しておくね」
スーツの内ポケットからスマホを取り出しながら言う。女の子を夜に連れ回すんだ。そこはやっぱりちゃんとしておかないと。
葵咲ちゃんは、依然お冠なままだけど、問いかければ首肯したり首を振ったりと意思表示はしてくれる。
彼女の自宅に連絡を入れると告げた僕の言葉に、一瞬「え?」という顔をしたけれど、ご両親からの僕の位置づけが兄のようなものだと認識しているからか、やめて欲しいとは言わなかった。
嫌だと言われたところで、そこはやはりけじめとして掛けるんだけどね。
少し充電しただけの僕のスマホ。電池残量はそんなにないけれど、軽く通話するくらい問題ないだろう。