僕惚れ①『つべこべ言わずに僕に惚れろよ』
***
あの夜から直近の日曜日。
僕は葵咲ちゃんに、「日曜にご両親に会いに行きたい。ご予定を伺ってみて」と伝えてそのつもりで仕事なども段取りをつけた。
眼科にも行って、コンタクトレンズも調達済みだ。ついでに黒縁の伊達眼鏡も。
仕事でもいつもスーツだから、取り立ててビシッと決めた感はなかったけれど、考えてみればこの格好で丸山家にお邪魔するのは初めてかもしれない。
スーツ姿に伊達眼鏡。わざわざ必要のない眼鏡をかけているところに何となく武装した感がある。
ここへ来る前に、街に出てケーキも買ってきた。葵咲ちゃんが子どもの頃から大好きなお店――アンジェリィク――の、苺たっぷりの生クリームケーキ。
ホールで買うかショートで買うかを迷って、先方が切り分ける手間を考えてショートケーキを五つにした。
あの夜から直近の日曜日。
僕は葵咲ちゃんに、「日曜にご両親に会いに行きたい。ご予定を伺ってみて」と伝えてそのつもりで仕事なども段取りをつけた。
眼科にも行って、コンタクトレンズも調達済みだ。ついでに黒縁の伊達眼鏡も。
仕事でもいつもスーツだから、取り立ててビシッと決めた感はなかったけれど、考えてみればこの格好で丸山家にお邪魔するのは初めてかもしれない。
スーツ姿に伊達眼鏡。わざわざ必要のない眼鏡をかけているところに何となく武装した感がある。
ここへ来る前に、街に出てケーキも買ってきた。葵咲ちゃんが子どもの頃から大好きなお店――アンジェリィク――の、苺たっぷりの生クリームケーキ。
ホールで買うかショートで買うかを迷って、先方が切り分ける手間を考えてショートケーキを五つにした。