【SR】卵
そんな願い、叶うわけないよね?
私は、教室での出来事を思い出していた。
今まで全然喋らなかった、不思議な留学生。
ちゃんと流暢な日本語を話し、エキゾチックな雰囲気で、吸い込まれそうな瞳の持ち主だった。
彼の言う通り、あの卵の人形が、本当に私の願いを叶えてくれると言うのだろうか。
「まさか……ね」
そう、まさか、本当に願いが叶うなんて……
その時の私は、もちろん信じていなかったんだ。
メニュー