【SR】卵
「うるさい!お前は部屋に戻って勉強しろ。受験はもうすぐなんだぞ。お前まで孝幸みたいになったら、どうするんだ?」
「お父さんの馬鹿っ!」
私はテーブルの上にあった新聞を父に投げつけると、そのままリビングの扉を叩き閉めた。
部屋に戻って暫くすると、玄関の扉が閉まる音が響いてきて、母が出て行ったのだと気付かされた。
私は机になんて向かってる気分になれず、ベッドにゴロンと寝転んだ。
ふと机の上を見やると、人形が口角を吊り上げ笑っているように見えた。
私はそのまま枕を抱え込み、強く瞼を閉じた。