ディープ・アフェクション
ゆっくりと顔を近づければ、皇明のその飴色の瞳の中に閉じ込められている自分と目が合った。
互いに薄く目を開いたまま、やわく唇を合わせる。
私と皇明の世界は、きっと驚くほど狭い。
その窮屈さの中で、ただひたすら愛されたくて、今も、必死だ。
こんなに必死になっているのはきっと私だけなのだと思う。もうとっくに皇明は、私に必死になったあの瞬間を、忘れてしまったのかもしれない。
ドサリとソファに身体が沈む。
いつの間にか形勢逆転していた。私を組み敷いた皇明はどちらの唾液で濡れたのか分からない唇を私の右頬にそっと押し付けた。
応えるようにその首にぎゅっと腕を回しながら、せめて1回だけでいいから愛の言葉を囁いてくれないかなぁ、なんて。
ふと浮かんだ夢見る少女のような思考回路に笑ってしまった。
“自分のモノになるまで”が一番楽しいだなんて、ほんとう、参ってしまう。
もうとっくに心も身体もこの男のモノになってしまった今の私は、過去の私には一生 勝てないのかもしれない。