ディープ・アフェクション
Rの愛。
私、石倉《いしくら》 里茉《りま》は、それはそれは男勝りな性格だった。
上に2人兄がいて、さらには近所に住んでいるのが男の子ばかりだった影響からか、物心ついた頃に興味を持ち出したのは戦闘物のアニメと昆虫採取。
毎日、外を元気に駆け回っていたせいかオールシーズン、肌の色はこんがりと焼けていた。
生まれてこの方、髪を肩につくほどまで伸ばした事も一度もない。なんでって?長いと鬱陶しいじゃん。乾かすのも面倒だし。
“お前って男より男だな”
そんな言葉を何度掛けられたか分からない。
だけど私はそんな自分を嫌だと思った事はなかった。女の子らしくしなさいと何度言われても、自分らしくいる方が正解だと思った。
できる事ならずっとずっと、私はこのままでいたかった。
朝から晩まで男の子たちと外を駆け回り、昆虫を採り、戦闘ごっこをして。
でもそうやって過ごす事を許されたのはせいぜい小学生あたりまで。中学生になると途端に周りは色めきだして、あの人がカッコイイとか好きだとか。
恋だの愛だの、よく分からない事で話題は持ち切りだった。
そしてそれは高校に上がると、今までとは比にならないくらいに、さらに勢いを増した。