今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
*第1章*

話したい。

「陽奈ちゃん、クラス替え一緒だね!!」

「そうね。よかったわ!」


陽奈ちゃんととっても嬉しい気分で抱きしめ合う。

高校生活二度目の春が来ました。

クラス替え、親友とはまた同じクラスになり……そして……。

大好きな、久遠くんとも、クラスが同じになりました!!

縁結びの神様、ありがとうございますっ……。

そんなことを心の中で思いながら、私の高校二年生の生活はスタートを切った。




……私は、たった一瞬で恋に落ちた。

それは、ある日のことだった。

学校の帰り道、たくさんの不良さんに絡まれたのだ。


「ねーキミかわいーね。お兄さんたちといーことしない?」

「あ、あのっ……」

「うわ、怯えてる、めっちゃ可愛いんですけどー!」


逃げようと歩き出そうとするけれど、不良さんたちに囲まれているせいで身動きが取れなかった。

「……なにやってんだよ」

「お前はっ……!!上杉久遠!?」


うえすぎ、く、おん……?
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