今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。

「……わぁ！天音ちゃん！ど、どうしたのっ……！？」

急にぶりっ子を始めた白雪。


「あっ……瑠夏、くん……ど、どうしてここに……？」

「えへへ……実は、颯先輩に無理矢理連れて来られちゃって」

「……？そ、そっか……？」


天音はそうなのかと疑問型に白雪に返事をした。


「……天音」

「……っ……」


天音は返事をしてくれなければそっぽを向いた。

「俺は、天音が好きだ。大好きだ、愛してる」

天音に伝えていたけれど伝わっていなかったこの言葉をいま、天音に口にした。


「……く、久遠くんはっ……優しいから……そう言ってくれるんでしょ……？」


……俺はそんな優しいヤツじゃない。

っていうかいくら優しくてもそれはないだろ普通。

「……俺は、天音が恋愛感情として、好きだ」

「……へっ……」

「でも、それは天音には届かないみたいだな」

だから……こうなったら


「俺は、言葉じゃなくてこれから天音に形で示す」


両想いのくせにこんなのは嫌だ。

「……か、たち……？」


こんなことを言っておいてなんだが……俺、反対されたんだよな。

陽奈に。

でも、そんなことは関係ない。