今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
落ち込んで、泣いて泣いて泣きまくった。
次の日。
「ワーオ。天音ちゃん顔大丈夫……?」
「へ……?」
生徒会に伯斗先輩のお手伝いに朝っぱらから行っていると、伯斗先輩にそう言われた。
「そ、そんなにぶさいくですか!?」
しょ、ショックだな……。
別に自分が顔面偏差値がいいわけではないとわかっているけれど……そこまで言われると……。
「ちがうよ!なんていうかさ、その、天音ちゃんの可愛い癒し系タレ目のお目目が余計に垂れてて、なんか、泣いてるっていうか……」
「泣いてる……?」
「男が、余計に守ってあげなきゃって思っちゃうお顔になってる」
そ、それはどういうお顔……!?
「あー……つまり、いつも可愛いけど……今日は、またちがった意味で可愛すぎ……」
「ええっ……あ、ありがとう、ございます……」
私は最近わかってきた。
伯斗先輩は、きっと私のことを妹だと思って可愛がってくれてるんだ、って。
「……そういえば、天音ちゃん久遠のことフッたの?」
「へっ?」
私が、久遠くんをフッた……?
そんなの、ありえない。
むしろ、私はフラれた側だ。