今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
「……可愛い」

「へっ……?」


次の瞬間、ものすごく早く私に近寄ってきた久遠くんはそのまま私をぎゅっと抱きしめた。


「可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い……なんで……付けてくれたの?」

「ち、ちがうっ……!たまたまスポッて……」

「ふふっ、そっか」

「そ、それよりなんでそんな格好っ……」


め、めちゃくちゃ可愛い……。


「……天音がくま好き、だから……?」

「な、なんで疑問方にっ……?」

「……颯にやれって言われた……」

「……う、ん?」


も、しかして久遠くんって……いや、あの幼き頃の純粋無垢な久遠くんからして、いまも尚そうなのであれば……こんなに素直でも、おかしくないっ……。


「ぷっ……なにっ……それっ……」


可愛さと純粋さについくすくすと笑ってしまった。


ふふっ……可愛い……久遠くん。


「えへっ……久遠くん、可愛い……ぎゅ〜!」


思わず久遠くんをぎゅっと抱きしめた。


「っ……!!」


なにかすごい衝撃を受けたような久遠くん。


「……」

すると、無言で久遠くんが私に近づいたきた。


「……?ど、どうしっ……」

ちゅっ。


可愛らしいリップ音が室内に開いた。

< 148 / 257 >

この作品をシェア

pagetop