今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
「なーんで?」


うううっ……。

この一週間、久遠くんのデレデレの度がすぎててっ……私が尊死しちゃいそう……。


「……ってかさ、天音は俺たちの結婚式、どういうのがいい?」

「……ふぇっ?」


け、結婚式……!?

く、久遠くん、なに言って……。


「なに言ってって、結婚式だよ。俺が18になったらすぐ式もあげて、学校卒業するまでは貯金で暮らして、そのあとは俺が稼ぐからさ」

「そ、そんなっ……」

「ん?やだ?」


嫌な、わけない……けど、少し申し訳なかったり……でも……。


「将来のことまで考えてくれてるなんて、嬉しいっ……」

「……」


ハッとした表情の久遠くんに、にこにこハッピーな私。


「ずっと、一緒にいてくれるってこと、だよね……?」

「うん、そうだよ」


なでなでと優しく私の頭を撫でてくれた久遠くんは優しい笑みを浮かべていて。


「……久遠くんはっ……いつもいつも、私を惑わすね……」


そんな顔されたら、やっぱり信じちゃうよ……。


「……そのまま天音に返すよそのセリフ。」

「ど、どういう……」

「俺、人生で天音ほど意地悪な人に会ったことない」

「ええっ……!?」


私、いつのまにかヒドイことしてたのかな……!?


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