今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
「へっ?ああっ……ま、まぁっ……」


天音の頬が朱色に染まる。


「そっか……」


もし、久遠が無理矢理付き合わせてたら、とか考えてしまいそうだ。

どうしたら天音は俺のことを意識してくれるんだろうか……。


「久遠のどこが好きなの?」

「え、えっと……可愛いところ、とかっ……優しいし、不器用だし甘えん坊でっ……ちっちゃい頃から私一筋のところ、とかっ……?なんちゃってっ……」


照れ臭そうにそういう天音。

っ……。


「……そっか。久遠の顔は?」

「う、うーん……イケメンすぎて眩しいから……も、もうちょっとカッコ良さを控えて欲しいかな……」


偽りのない声色でそう言う天音。


「……そっか。天音は面食いじゃないんだね」

「め、めんくいっ……?あ、あははっ……でも、可愛いうさぎさんとかになら面食いかもっ……!」

「ふふっ、そっか」


うさぎさんとか、言い方可愛すぎるだろ。


「天音」

「あっ……い、意識がお戻りになったんですねっ……」

「……仁と話して俺を妬かせて、楽しい?」

「へっ?」


……。


天音は悪気なんてないのに、コイツ重いんだよな。

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