今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
「どうした?」
……その上目遣いとか、本当やばい。
「あのっ……れ、連絡、しゃきっ……交換しましぇんかっ……?」
「っ……。いいよ」
なんで噛んでもそんな可愛くなんだよ。
可愛すぎて、もうどうにかなりそうだ。
もういっそのこといまここで連れ去って、誰にも見えない場所に監禁して、俺のこと嫌でも好きにさせたい、いやむしろ嫌いでもいいから手元に置いておきたい。
「えっ!!本当っ……!?」
「……嫌なのか」
「ちがうよ!すごく嬉しいっ……!」
本当に嬉しいのか、満面の笑みを浮かべた天音。
……勘違いするから、やめて欲しい……。
「あ、あのっ……」
「……なんだ」
「これから、仲良くしてくれると、嬉しい、なっ……」
「っ……ん。ほら、もうすぐ授業始まるから席戻れ」
「あっ……!うんっ……!」
あんなに嬉しそうに笑って……。
あー……もう本当にあり得ねぇ……。
あんな笑顔を色んなヤツに振りまいてきたのかよ……信じらんね。
本当に可愛い……。
早く、俺のものになればいいのに……。
ん……?っていうか、さっき、私のこと嫌?って聞いてきたよな?
それって……あまりにも、俺の態度が冷たすぎたんじゃないか?