今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。

……わからない……でも、天音が話しかけてすると、緊張のあまり情けないほど声が出なくなる気がする。


はぁ……情けなさすぎるだろ……。

……天音、蘭のことが好きなのか……?


あんなに仲良さそうにしてて……。

……はぁ……たまには、俺からも話かけに行かないとさすがにヤバいかもな。


でも、とりあえず連絡先は交換できたことだし、最初は、連絡を取るからでもいいかもしれない。

下手に俺が話しかけて怖がらせるのも嫌だしな。


「なーな。やっぱ天使さまが好きなのかよ冷酷王子」

「その呼び方やめろ。」


コイツは如月颯。俺の友達だ。


「いーじゃねぇかよ。にしてもお目が高いねぇ〜」

「あ”?」

「うわ怖。俺の可愛い陽奈チャンには手出すなよ〜」

「お前こそ天音に手出したらぶっ殺すかんな」


心の底で思っていることをつい口にする。


「うわ、怖。お前って重いよな」

「うるせぇ」

「そういえば、神木のこと、気をつけろよ」

「んなことわかってる」


あのまま神木を野放しにしていたら、天音を取られてしまう。

それどころか、あの生徒会長の東方城もきっと天音のことを狙っているだろう。


「俺はお前に協力するぜ〜?」
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