今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。

「大好きだよ！」

「！よかった……」

「もう、どうしたの？」


悲しそうにしている久遠くんに近寄って、背伸びをして頭を撫でてあげる。


「……なんでもない……」

「秘密ごとはなしだよ？私たち、結婚するんでしょ？」

「っ！うん……あとで、話す」


っ……可愛い。

くぅんと泣いているわんちゃんみたいで……。


「……今日デートしてくれる？」

「！うん！約束したもんね！昨日はごめんね」

「ううん。僕が守れなかったから……」


っぅっ……しゅんってしてる……可愛い……。


「教室、戻ろっか」

「うん！天音、手握って」

「っ……わ、わかったよ……！」


さすがに可哀想すぎて握りざるおえない……。


ぎゅっと久遠くんと手を握って、教室までゆっくり歩いて戻る。


「……今日は久しぶりにお昼、屋上で食べたい。クリームパン買ったから」

「！食べる！また私のお弁当半分こしよ！」

「うん！」


いつもお昼は陽奈ちゃんとふたりで食べてるから、嬉しいな。


久遠くんと颯くんは御曹司さん同士でやらなきゃいけないことがたくさんあるようだし。


「じゃあ、お昼楽しみにしてる」

「えへへ、私も！」

「……なにそのえへへとか可愛すぎ」

「急に恥ずかしいこと言わないで……！！」


それに、可愛いのは久遠くんだよ……！！