今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
「恥ずかしくないよ。この世で1番天音が可愛いことなんて当たり前なんだから」

「もうやめてぇ……」


繋いでない方の手で真っ赤になってであろう顔を覆う。


「ふふっ、本当可愛い」

「うううっ……」

「可愛いお顔、僕以外に見られないようにちゃんと覆っておいてね」

「うううっ……どっちにしろ覆っちゃうよ……あと……久遠くん意地悪……」


私がこうなることをわかってて、わざとやってるよね……?!


久遠くんのおバカっ……。


「……えへへーねーね。おやすみ」

「……へ?」


おやす———



ギュッ

最後に久遠くんに優しく抱きしめられる感覚がして、私の意識は遠のいていった。







……



「んっ……」

「……あ、起きた?」


「……久遠、くん……?」


こ、ここは……久遠くんのお部屋……?


「……僕の部屋にそっくりでしょ?でもちがうんだよ」


ちがう……?じゃあここはどこ……?


「ここ……どこ?」


私をぎゅっと抱きしめて、おでこに口付けた。

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