今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
「ここは、僕たちのお屋敷。一生ここで暮らすんだよ」

「……?つまり、おうち……?」

「ふふっ、そうだね」


もしかして、これはちらちらと話に出ていた久遠くんのお屋敷……?


「うわぁっ……綺麗!」

「ふふっ、そうでしょ?結構高かった」

「あ、あはは……」


値段は聞かないでおこう……。


「早く結婚したいなぁ。僕の誕生日は3月だけど……18歳になったら、すぐ結婚しようね」

「……そうだね……!!」


なんだかとっても幸せだなぁ……!


ん……?っていうか……!!


「学校サボってない!?」

「そのぐらいいいでしょ」

「うううっ……」


出席日数がぁっ……。


「……天音。告白、断ってくれたんでしょ?」

「あっ……うん……!」


優しく頬に手を当てる久遠くん。


「ありがとう。僕、すっごい不安だったんだ」

「そっか……そうだよね」


そんなの、当たり前だ。


「うん……でも、嬉しかった。僕のこと、一途に愛してくれてて」

「えへへ……なんだか照れちゃうな……!」


ニヤニヤしちゃうっ……!


「ふふっ、僕も照れちゃう。……ぎゅー」


むぎゅっと優しく抱きしめられて、幸せに浸る。

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