今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
「うるせぇ」
「まぁ、アドバイスをする。昼飯を一緒に食え、以上!」
「は?」
昼飯を、一緒に?
「今日陽奈チャンは委員会の仕事が忙しいため天音チャンとはお昼を食べれません〜。
それで、ひとりぼっちになっちゃった天音ちゃんに声をかけて、一緒にお昼ご飯を食べて仲良くなっちゃおー!的な」
「……」
たしかに、それなら昼飯の間、ムシケラ共から守れるからいいかもしれない。
「……わかった」
「え、マジで?」
「ああ。」
「ま、頑張って冷酷王子様〜!」
相変わらずものすごくイラつくが、いい案だと思う。
コイツは……太陽王子って色んなヤツに言われているらしい。
まぁ、ご最もっつー感じだが。
それから、お昼休みがきて、俺は天音の元へ向かった。
「……天音」
「……!?久遠くんっ……!?ど、どうしたの?」
天音はものすごく驚いた様子で、ただでさえ大きな目を丸くして、俺のことを見つめていた。
「昼飯、一緒に食お」
「へっ!?いいの!?」
「……いいって言ってる」
そんなに嬉しそうに驚いてもらえると、こっちまで嬉しい。
「わ、わかった!じゃあ、屋上で食べないかな?」
「ん」
「わぁっ……!?冷酷王子と天使さまが一緒に歩いてる」
……
案の定、天音と廊下なんて歩けばこうなることはわかっていた。
「なにあれめっちゃ絵になるんですけど!!」
「俺たちの天使さまがぁぁぁ!」
……だけど、納得いかない。