今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
それから、ゆっくりとジェットコースターが走り出した。
「ひぃっ……こ、怖いよ高いよ颯ぇ……!!」
ぎゅっと俺の手を弱い力で精一杯握るようちゃん。
「大丈夫大丈夫。っていうかようちゃんが可愛すぎて怖いんだけど……」
ようちゃんは高さが怖くて、俺はようちゃんの可愛さが怖い。
はぁ……怯えてるようちゃん可愛——
「きゃー!!!?!?!!」
急に下り坂になったジェットコースターにようちゃんが悲鳴を上げた。
「わぁぁー」
軽くリアクションを取るけど、ジェットコースターにはもう慣れた。
理由は、小さい頃にようちゃんとジェットコースターをよく乗っていて、最初はビビっていたけれどようちゃんのビビる顔が可愛くて、慣れてしまったのだった。
けれどようちゃんは小学校6年生になると急にジェットコースターが高くてビビるようになったと言うわけだ。
「ビビるようちゃんかーわいーーー!!!!」
ジェットコースターが回る瞬間にそう言い、ストレス発散になった。
ようちゃんは……うるうるしてる……可愛いな。
「ようちゃん、大丈夫?」
「らいじょうぶらない……」
「ふふっ、そっか」