今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。

入れ替わりのお薬*side 天音*

……これは、ある日のことだった。


4人組で私のおうちに集まっている時、颯くんが不思議な薬を持ってきたのだ。


「これ、入れ替わるんだってー」

「いかに怪しそうなもんを……」


久遠くんは、はぁ……と呆れている。


「でも、これで久遠が天音ちゃんと入れ替わって、俺がようちゃんと入れ替われたらすごくない?効果は1時間で切れるらしいし」

「……それは、いいかもしれない」

「!久遠くん!?」


よくないよ……!今日は休日だからとはいえ、それに信じられないからとは言っても万が一……。


その瞬間、ポンッと音がして颯くんが薬の蓋を取り、匂いが部屋に充満した。


そして、瞬きを一度すれば……。


「ん……なに、これ……」


あ、あれ……?私が喋ってるはずなのに、声が久遠くんだ……。


「っ!な、なんで私が颯の身体に!?」

「はっ!!これは愛するようちゃん様の身体!!」


陽奈ちゃんはナルシストのようになり、颯くんはこんらんしている。


そして、ふと横を見ると……


そこには、私がいた……。


「天音……入れ替わったな」

「ううっ……そうみたい……」


どうやら颯くんが言っていた通りに入れ替わってしまったらしい……。

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