今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
い、色々と聞きたいことがありまくるんですけどっ……!!

でも、1番は……。


「なんで私の家だってわかったんですか!?」

「ん〜?みんなの後つけてきたんだぁー」

「う、嘘ですよね……?」


本当だとしたら、す、ストーカー……!?


「嘘じゃないよ」

「……おい理人」

「なぁに?」

「天音をストーカーしていいのは、この俺様だけなんだよ?なぁわかるよな」


……あ、あれれ……?久遠くん……?


「く、久遠くん、なに言って……」

「へぇ〜冷酷王子の噂ってマジなんだ」


れ、冷酷王子の噂……?!


「じゃあお前ら、手合わせて」

「「「「「「「「「いただきます!!!」」」」」」」」」


リビングから蘭くんと従兄弟たちの声が聞こえてくる。

そして、さりげなく理人さんは家に上がってくる。


「おっじゃましまーす」

「あっ……。ううっ……上がってもいいから、しっかり手洗ってね」

「・・・・あ、はい」


理人くんはポカンとするも、よく手を洗ってリビングに入った。


「天音……いいのか?」

「う、うんっ……」


おうちが潰れないか心配だけど……。


「……なんか、天音ちゃんにそっくりなイケメンがいっぱいいるんですけど……」

「わ、私にそっくり!?」

「ぷっ、反応おもしろ。うん、そっくり。天音ちゃんが男になったらこうなるんだなってよくわかる」

「わ、私はわかんないデス……」


私がこんなにイケメンになるわけない。

ま、まぁ、たしかに、真夏くんや秀くん、夏樹くんは女の子らしい顔つきをしているけど……。

それは、ママ……の姉妹の従兄弟だからだ。


< 38 / 257 >

この作品をシェア

pagetop