今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
「ふふっ、天音チャンって思ってたより面白いネ」

「おいお前なんでいんだよ」

「わお蘭じゃん。お前チビだから気づかなかったは」

「……あ”?てめぶっ殺すぞ」


ええっ……蘭くん、ブチギレてるっ……!?


「お前と10センチしか違わねぇじゃねぇかよ調子のんなクズ!!」

「ふたりともやめて!!!悪口言わないでよ!!従兄弟への教育が悪くなっちゃう!!」


ハッキリ言ってこの2人がなにしてようと私には関係ないんだ!!

大事なのは、この親戚の従兄弟たちだ。

けど……蘭くんも可哀想だし。


「っ……!?天音……?」


蘭くんの手をぎゅっと握り、瞳を見つめる。


「蘭くんは背が高くてカッコいいよ?私なんて150センチしかないし」

「!!天音……」

「ふふっ、よしよし」


今度は蘭くんの頭を撫でた。


「あっ……そろそろみんなでお勉強する?」


蘭くんはもうケーキ食べちゃったみたいだし。

従兄弟たちも宿題持ってきてるはずだから。


「天音」

「ん?——ひゃっ!?」


久遠くんに後ろから呼ばれたかと思えば、ぎゅっと抱きしめられる。

首筋に顔を埋められて、くすぐったい。


「えへへへっ……ふぁへへっ……く、くしゅぐったいっ……ど、どうしたのっ……?」


私を笑わそうとしてくれたのかな?


「……疲れた」

「?」


あ、あれ?私、寄りかかられてるってことかな……?
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