今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
「……天音」

「……?あっ……蘭くん」

「……大丈夫?」

「えっ……あ、うん……」

わ、私……心配されるような顔してたかな?

「……なんかあったのか?」

「えっ……」

「図星確定だな。言え」

「や、やだっ!!」

「おーい!授業はじまんぞ」

先生の言葉で、蘭くんは席に戻っていった。



それから授業は開始される。

もう、授業なんてどうでもいいや。

「次、日向。」

「……」

「日向!」

「へっ!?あ、す、すみません……!!」

先生に呼ばれてガタッと椅子から立ち上がる。

そして、出題された問題を解いて行く。

「日向まったくお前は……」

「えっ……!?ま、間違ってましたかっ……!?」

「ちがう。大正解だ」

「よかった……」

ん……?だとすると、なにがだめなんだろう……?

「ボーッとして当てられたんだから、解けないが当たり前だろ!」

ナイスタイミングで先生が理由を話した。

「ええっ……」

し、仕方ないですよっ……!

勉強だけはできるようにと高校生の勉強は全てハークしてるんだからっ……!!

「す、すみません……」

そう言いながらポスッと先に座り込んだ。

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