今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
俺のになれ。〜side 蘭〜
ボーッとしながら、ただただ天音を後ろの席から見つめる。
我ながら信じ難い。
俺の初恋はあっけなかった。
あれは、中学2年の頃だった。
*
「てめぇら大した腕ねぇくせに調子乗ってんじゃねぇぞ!?」
両親共働き、8人兄弟の長男な俺。
十分に親に甘えることも、反抗することも出来ずに思春期まっただなかなだけあって不良になってしまったのだ。
「チッ……中坊のくせにいきんな!!!」
「るせぇ雑魚が!!!」
当時の最強暴走族の総長を一撃で倒したという伝説もできるぐらいだった。
でもある日……。
弟と妹の幼稚園の迎えに行った時だった。
ゾロゾロと園児たちに囲まれてる女がいたのだ。
「蘭お兄ちゃん、あの子ね、わたちたちと遊んでくれたの!」
女のことを指差して、にこにこと微笑む妹の凛。
「ん、よかったな」
そう言って凛の頭を撫でる。
「天音ちゃーん!」
すると凛は女を呼ぶように手を振る。
「あ!凛ちゃん!み、みんなごめんね〜今日は帰らなきゃ行けないんだ……」
「またきてね!!」
「天音ちゃん大好き!!」
「ふふっ、ありがとう」
にこにこして手を振りながら群がる園児たちの輪から出てきた女。
我ながら信じ難い。
俺の初恋はあっけなかった。
あれは、中学2年の頃だった。
*
「てめぇら大した腕ねぇくせに調子乗ってんじゃねぇぞ!?」
両親共働き、8人兄弟の長男な俺。
十分に親に甘えることも、反抗することも出来ずに思春期まっただなかなだけあって不良になってしまったのだ。
「チッ……中坊のくせにいきんな!!!」
「るせぇ雑魚が!!!」
当時の最強暴走族の総長を一撃で倒したという伝説もできるぐらいだった。
でもある日……。
弟と妹の幼稚園の迎えに行った時だった。
ゾロゾロと園児たちに囲まれてる女がいたのだ。
「蘭お兄ちゃん、あの子ね、わたちたちと遊んでくれたの!」
女のことを指差して、にこにこと微笑む妹の凛。
「ん、よかったな」
そう言って凛の頭を撫でる。
「天音ちゃーん!」
すると凛は女を呼ぶように手を振る。
「あ!凛ちゃん!み、みんなごめんね〜今日は帰らなきゃ行けないんだ……」
「またきてね!!」
「天音ちゃん大好き!!」
「ふふっ、ありがとう」
にこにこして手を振りながら群がる園児たちの輪から出てきた女。