今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
そしてこれまたイケメンなお父さん。

大人っぽくて、久遠くんは色っぽい涙袋ぼくろがあるのだけれど、この人は口元にある。

って、そんなのどうでもいいけど……。

とにかく、大人の色っぽさを兼ねそろえたお父様だ。

「それでね。うちの久遠——」

「父さん!!やめてよ」

「あーすまないな」

「全くあんたはいつもいつも息子の気持ちを考えてから動け」

私は……この中の会話にとても驚いてしまった。

だって、久遠くんが……。

父さん、やめろよ!っていうかと思ったら……。
  
  ・
やめてよって言ってた……。

「ははっ、これはすまない。で……実は、天音ちゃんに頼みたいことがあるんだ」


私に、頼みたいこと……?

「な、なんでしょうかっ……?」

「実は、私の嫁が久遠とキミを結婚させたいと言っていてね。」

「ええっ……!?」

け、結婚……!?

「それで……キミが久遠のことをどう思ってるにせよ、一度妻に恋人として会って欲しいんだ。じゃないと、久遠の婚約者が決まってしまうからね」

「そ、そうなんですね……」

なんだかモヤモヤする……。

究極の選択だ……。


久遠くんは別に私のことなんか好きじゃないのに、恋人ととして久遠くんのお母さんに会いに行く。

それか、

会わずに久遠くんが将来誰かと結婚する……。



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