今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
そ、想像を超えてきたー……。

「そ、ソウナンダネ」

「でも、いまはある理由があって屋敷を建てててな」

「へ、へぇ……」

ある理由……。

お屋敷……?

もうなにもかも論外のものばっかり出てくる。


すると、車が走り出した。


「30分ぐらいで着くから」

「わ、わかりましたっ……!!」


30分って……結構遠いんだな。


「……天音、もうすぐ誕生日だろ?」

「そ、そうだけど……」

「なんか欲しいもんある?」

「へっ?」

そ、それって……。

誕生日プレゼント、くれるってことかな……?

ふふっ、そうじゃなくても、誕生日覚えてもらってただけで嬉しいな。


うーん、でもいま欲しいものかぁ。


「……くまのおっきいぬいぐるみ……かな?自分より大きいくらいの……!!」


ぎゅって抱きしめられる、もふもふなくまちゃんが欲しい……!!


「ふっ、なんだそれ。わかった、ありがとな」

久遠はそう言って、大きな手で私の頭を撫でた。


「そういえば、久遠くんってお誕生日、5月6日なの?」

「そうだがなんで……」

「颯くんが言ってたの!」

颯くんはよく久遠くんの情報を提供してくれるんだ。

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