今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
「……そうか。」

「あっ……久遠くんは、欲しいものある?」

「……天音」

「……?」

い、いま、天音って言った……?

う、嘘だよね。

さすがに自惚れすぎだっ……。


「え、えっと……」

「まだ決まってないからもうちょっとしたら言うな」

「わ、わかったっ……!!」


それから私たちは最近あった他愛ない話7度をして、時を過ごした。



そして……。

「ここだ」

「わ、わあっ……」

学校の5倍ぐらいあるお屋敷が、目の前に聳え立っていた。

ここは……。


久遠くんのお家のお屋敷らしい……。


「……行くぞ」

「あ、は、はいっ……」

なんだかさっきより緊張してきたっ……。


お屋敷の中に入り、久遠くんの少し後ろをトコトコと歩いている。


も、もうお城だよね、ここ……。


そして歩いていると、

「天音様はこちらに」

と召し使いさんらしき人に導かれて、なにかの部屋に連れて行かれる。

「まぁ!こんな可愛らしい子が久遠様の奥様なんて、最高じゃないの!」

「この子を着替えさせられるなんて、ここに使えて良かったわ!」

そこには……。

メイドさんがいっぱいいて、私はいまから……。

着替えさせられるらしい……。




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