今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
「……じゃあ、久遠の部屋に行こうか」
「ん」
それから俺の部屋につき、父さんと話を始める。
「……ほぅ、さりげなく誘導して、騙すと……」
作戦を父さんに話せば、あっさり認めてくれた。
「……だが、天音ちゃんが久遠のことを好きとは限らないだろ?」
「……はい」
天音は金とか顔で釣れるタイプじゃないし、まぁもちろんそんなとこが好きなんだけど、どうすれば好きになってくれるのかわからない。
「だが、私的にも、天音ちゃんのおかげでお前が家を継ぐ気になってくれたのだから、最善を尽くしたいと思っている」
「……はい」
「……で、久遠の作戦には賛成だ。」
その時だった。
ブーブーッ
スマホが震えて、颯だろうと思ってたが、画面を見てみると……。
【陽奈】
という表示がされていた、
思わずスマホを開いて陽奈からのメッセージを確認する。
【アンタ、いいかげん天音を傷つけるのやめなさいよ!!このいくじなし!!!】
そうメッセージが送られてきていた。
……陽奈とは、天音の“情報提供”をするためだけに連絡先を交換してある。
まぁグループで、颯も入っているけれど。
【で、今度アタシが委員の仕事でお昼忙しくなるのね、で、そん時に颯から事情を聞いて】
なに言ってるのかはわからないけれど、とにかく天音となにかがあるのだろう。