HONEYHOLIC(2)運命ウエディング~身代わり見合いの代償は溺愛~


智則君と明姫が披露宴会場を退室する私たちを金屏風の前で見送った。
「今日は本当に有難うございました。白石社長、雪姫さん」

「堅苦しい挨拶はするな…俺たちはもう親戚同士だ。智則君」

十歳年上の達生さんに気を遣う智則君。

達生さんは彼と距離感を詰めるように気さくに振る舞う。

「そうですね…」

彼の口許にも笑みが浮かんだ。

「明姫…体は大丈夫?」

「うん、大丈夫よ…雪姫」

私は安定期とは言え、身重の明姫の体調が気になった。

「今日は本当に有難うございました…白石社長」

「明姫さんは赤ちゃんの為にも今夜はゆっくりと休んで」

「お気遣いありがとうございます…本当に見合いの件はご迷惑掛けました」

「過ぎた話だ…」

達生さんと私は目を合わせた。



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