HONEYHOLIC(2)運命ウエディング~身代わり見合いの代償は溺愛~
「俺の母親も一卵性の双子の姉妹で…父と見合いして結婚するはずだった相手の方には男が居て、身代わりに母さんを寄越されたらしい。それも、挙式当日の話だ。
それよりはマシだと父さんは言ったが…実際、自分で体験してみると本当に感じが悪かった」

「本当に申し訳ありません…」

私は彼に頭を下げた。

「謝罪はいいよ…この間の続きをしようか?」

社長はチェアから腰を上げた。

そして、私に近づき、いきなり腰を抱いてきた。

「ま、待ってください…社長」

「もう待てない…俺は三週間待ったぞ…それに君にプレゼントも渡した」

「じゃこのプレゼント、お返しします」

私はティファニーの紙袋を突き返す。

「冗談に決まってるだろ?真に受けるな…」

社長は不敵な笑みを浮かべて、腰から手を離した。

彼は私をからかっていただけ。

「君の反応が面白いし…ついからかってしまった…それよりもコーヒーを淹れてくれ…雪姫」

雪姫って突然、名前を呼び捨てにされ、面食らった。


「聞こえなかったのか?雪姫」

「・・・分かりました…」

「あそこが給湯室だ…コーヒーメーカーがあるから…適当に淹れればいい。砂糖は要らない。ブラックでいい」

私を仕事中に呼び出しておいて、コーヒー淹れとくれとは一体何なの?

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