HONEYHOLIC(2)運命ウエディング~身代わり見合いの代償は溺愛~
「あ、はい」

私は社長に言われるまま彼の隣に腰を下ろした。

「今度、オンエアされる第二弾のCMだ…」

社長は私にまだオンエアされていないCMを内緒で見せてくれた。

前回のCMよりもコーガが目立っている。

私の推しはコーガ。

新作CMに釘付けになった。

コーガの顔を見て口許を緩ませていると社長が私にポツリと呟く。


「雪姫の推しはコーガか?」

「え、あ…すいません…実は私…『スターファイブ』の大ファンで…ファンクラブにも入っています」

「そうか…じゃ今度コーガに会わせてやろうか?」

「本当ですか??」

「コーガだけじゃなく…雪姫が望むなら…『スターファイブ』全員に会わせてやるぞ」

さすがはメディア王…


私は完全に社長の口車に乗っていた。

でも、このまま彼に乗せられていいのかな?

「やっぱり…結構です…何だか裏がありそうなので…遠慮します」

「・・・別に裏はないぞ…俺の推しもコーガだ…」

「えっ?」

社長の推しもコーガ?

「同じ推し友として…純粋にコーガを応援しよう!」

「・・・え、あ・・・それならOKです!!」

「素直だな…あの時と変わらないな…」

「!?」

「さてと本題に入るぞ…」

彼は私の膝にタブレットを乗せて、腰を上げた。

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