HONEYHOLIC(2)運命ウエディング~身代わり見合いの代償は溺愛~
「父さんは君の事を気に入ってるんだ…同じゆき繋がりだから」

会長が気に入っているのは私の名前らしい。

社長は矢継ぎ早に話をして喉が渇いたのか、コーヒーを口に含んだ。

「君が白石家に嫁げば…君は『白石雪姫』…石をとったら、白雪姫…父さんのニックネームもしらゆきなんだ・・・」

「へぇーっ」

「君は白石家に嫁ぐ為にこの世に誕生したと言っていた・・・父さんの考える事は息子の俺にも理解不能だ…」

「社長は私との結婚どう思っているんですか?」


「・・・俺はこのまま社長の椅子に座る事ができればいい。白石家は由緒ある家柄。
白石家の次期当主として結婚して跡継ぎを残す事は俺の役目だと思っている」


社長は唯私との間に跡継ぎを残せればいいと思って結婚するんだ。
明姫の妊娠を心から喜んでいる智則君とは全然違う。


「どうせ産むなら…愛する人の子を産みたいです…社長」

「・・・じゃ君が俺を愛せばいい…俺は君に償ってもらわなければいけない立場だからな」

「えっ?」

「俺は君の命の恩人でもある…」

「入るぞ!!」

社長との話は会長の入室で中断してしまった。



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