HONEYHOLIC(2)運命ウエディング~身代わり見合いの代償は溺愛~
「そうだ…達生…彼女に例の書類渡したか?」

「あぁ~」

「今日中には夫婦になれそうか?」

会長の言う例の書類とは婚姻届の事だろう。

「サインはできますが…捺印が…」

「そうか…達生のヤツ…見合いの後…すぐに出張でアメリカに行ってしまって…昨日帰国したばかりなんだ…まぁー俺が達生の代わりにサインと捺印しても良かったんだが…さすがにそれは妻に止められてなぁ・・・」

「俺の結婚だぞ…なんで父さんに代筆されなきゃいけないんだ…全く」

社長は会長を睨み据えた。


「ちゃんとサインして捺印して明日…社長にお渡ししますから…安心してください…」

「それは安心した…そうだ…白雪姫…息子の事を社長ではなく達生さんと呼んでやれ」

「父さんに言われなくても…ちゃんと呼ばせるから…俺と彼女の仲にいちいち口を挟むな…」

「いや、いろいろと心配なんだ…白雪姫は小泉から貰った大切な娘さんだからな…」

「・・・」

「そうだ…この際だから…白雪姫を達生の秘書に据えようか?」

「何勝手な事言ってるんだ?俺には逢沢という秘書が居る…それに雪姫は『メディアパークス』の社員で『順天堂』の社員じゃないぞ。勝手に人事異動させるなよ」
「そんなのはどうにでもなる・・・俺は会長だ!!『メディアパークス』の株だって半分以上は俺が所有している…」

社長は会長の横暴さにタジタジのご様子。




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