HONEYHOLIC(2)運命ウエディング~身代わり見合いの代償は溺愛~
エレベーターホールについた途端、社長は特大のため息を吐いた。

「社長?」

「あのまま…父さんの相手した方が良かったか?」

「いえ…」

「白雪姫白雪姫って…うるさいんだよ…全く…」

「ずっと白雪姫と呼ばれ続けるのでしょうか?」

「多分な…」

「私が姫なら…社長は王子様?」

「王子様よりも王様でいいよ…早く引退しねぇかな…父さん…仕事もろくにしないし…社に茶飲みに来てるだけだし」

「社長…私本当に貴方の秘書に就くんですか?」

「父さんは現実に筆頭株主だし…俺も逆らえない…後で湊と話をして…異動の時期は君の上司の香川部長と応相談だ」

彼の言う湊…フルネームは白石湊(シライシミナト)
私が勤める『順天堂メディアパークス』代表取締役。
父親は白石会長の二番目の弟で大手芸能プロダクション『ギャラクシー』の代表取締役・白石臨也(シライシリンヤ)
若い時はアイドルとして名を馳せいたらしい。
『スターファイブ』も『ギャラクシー:所属のアイドルグループ。
「白石一族って親戚多いですよね…」

「確かに多いな…父さんは五人姉弟だからな…」

「親戚付き合い大変ですか?」

「・・・別に…俺が居るし…ちゃんとフォローしてやるよ」

「社長って意外と優しいですね」

「意外は余計だぞ…」

社長は軽く私の額を指で突いた。

「痛いです」

「手加減したぞ…雪姫は反応がオーバーなんだ…」




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